「もうすぐ赤ちゃんが産まれてくる!」と楽しみにして、ママのお腹に向かって声をかけたり、お腹をさすったりして赤ちゃんを待っていた子も、いざ産まれると180度変わった行動をすることがあります。ママを赤ちゃんに取られたような気がして、自分だけを見てほしいという赤ちゃん返りなのです。急に甘えん坊になってママのそばを離れなくなる、おっぱいを卒業した子でも下の子と同じようにママのおっぱいをほしがる、赤ちゃんにいたずらをする、など子どもによって色々な赤ちゃん返りがあります。
子育て中のお母さんたちが必ず直面する「赤ちゃん返り」。どのように対処したらいいのでしょうか。
■上の子の不安解消を
ママが赤ちゃんを産むために家を離れていた間は、上の子はきっと心細く寂しかったことでしょう。だから赤ちゃんを産んで家に帰ったらまず、「ママも早くあなたに会いたかったよ。よく我慢してお利口だったわね」と言って、ぎゅっと抱きしめてあげましょう。それだけでその子の心細さと寂しさは飛んでいってしまいます。
でも、それからはずっと一緒にいるわけだから、そのうち上の子もストレスが溜まって、赤ちゃん返りが始まるでしょう。2歳までのまだ言葉がうまく話せないお子さんは乱暴な行動をしたり、ぐずったり、言葉が話せるお子さんだったら赤ちゃんやママを攻撃する言葉を言ったりします。赤ちゃんの世話もあるし、睡眠不足にもなるし、上の子は言うことをきかないし、ママも困ってしまいますよね。
そんな時は上のお子さんの気持ちを第一に考えてあげて、「ママを取られた」という不安を解消してあげましょう。折りに触れ「ママはあなたが一番好きよ」と言ってあげると、お子さんの気持ちは安定します。
そして「赤ちゃんは一人では何もできないから、一緒に手伝ってあげましょう」と優しく言うと、子どもは納得してママに協力しようという気持ちになってくれます。その時はたくさん褒めてあげてください。
■友人の素敵な子育て
赤ちゃん返りは決して悪いことではありません。上のお子さんにも充分愛情を降り注いであげて、大らかな気持ちで多少のわがままは聞いて甘えさせてあげましょう。
友人の話です。2歳のお兄ちゃんが、ママのおっぱいを飲む弟を見て自分もおっぱいを飲みたがったそうです。もう母乳は卒業していたのに。でもママである友人はお兄ちゃんに「おいで」と言って二人を抱っこし、両方のおっぱいをそれぞれに飲ませました。その時の様子をパパが携帯で撮っていたので、私も見せてもらいました。なんとも微笑ましいその姿を見て、友人は素敵な子育てをしているな、と思いました。
そのお兄ちゃんは、2、3回飲んだらもうおっぱいには見向きもしなくたったということです。
この例のように、上の子の要求を優しく満たしてあげると「ママも僕(私)を見ていてくれる」と気持ちも満たされます。子どもが満たされた気持ちになるとママも嬉しいですね。
そうはいっても、赤ちゃんのお世話は大変。加えて家事もあるし、ママも疲れきってしまいます。赤ちゃんが眠っている時は一緒に眠りたいのに、そうもいかない。ママも気持ちに余裕がない時の方が多くなってイライラして、上の子につい当たって、叱ってしまいます。
そんな時は深呼吸をして、いったん気持ちを落ち着かせて、子どもを見つめて。そうするとストレスを溜めて不安になっている我が子の気持ちに気づくことができますよ。
何もかもキチンとできなくてもいいんです。赤ちゃん返りを無理にやめさせようとしないで、楽な気持ちでお子さんと向き合っていきましょう。